【2025年6月更新】5月度のWeb広告関連のアップデート情報まとめ

2025年5月にアップデートされた運用型広告の情報をご紹介します。
今月アップデートがあった媒体は、Google広告・Yahoo!広告・Microsoft広告です。
アップデート情報は顧客や自社の広告運用に活用していきましょう。
株式会社SORAMICHI(ソラミチ)は、企業変革を戦略立案から実行まで伴走するDXコンサルティング集団です。 豊富なコンサルティング経験をもとに、マーケティング・IT戦略を踏まえた目指すべき姿を描き、高度な専門性をもって、お客様の課題解決の為に最適なソリューションを提供し、実行まで伴走いたします。
まずはお気軽にご相談ください。
Google広告のアップデート
Google タグ ゲートウェイの登場
Google広告でGoogleタグゲートウェイがリリースされました。
GoogleタグゲートウェイとはGoogleタグを外部ドメイン経由ではなく自社ドメイン経由で配信するための仕組みのことを指します。
これまでのGoogleタグは外部ドメイン経由で配信されており、Cookieの規制の厳格化やブラウザのプライバシー強化によって正確なデータの取得が難しくなっていました。
しかし、本機能を利用することで自社ドメイン経由でのタグ配信が可能となり、これらの規制に影響されることなく、これまで以上に正確で詳細なデータの取得が実現します。
また、Googleタグゲートウェイで設定されたタグにはデフォルトでConfidential Computingが設定されます。
『Confidential Computing』とは、収集したデータを暗号化や隔離することで安全に保護する技術であり、タグ配信時のユーザーのプライバシーを高度に保護します。そのため、データ精度の向上だけでなく、ユーザーのプライバシー保護も同時に強化されるというメリットがあります。
なお、導入に際しては、既存のタグコードを変更する必要はなく、CloudflareなどのCDNサービスと連携することで、ワンクリックでの統合が可能です。
参考:広告主向け Google タグ ゲートウェイでコンバージョンの測定と広告のパフォーマンスを向上https://support.google.com/google-ads/answer/16214371?sjid=15650289449007720835-NC
Google AIで商品画像から着用画像や動画を生成
Google広告でAIで作成できるクリエイティブの幅が広がりました。
下図のように、いくつかの商品画像を読み込ませることで、実際に人が着用しているようなリアルなシーンをAIが自動生成します。
さらに、このAIで生成されたモデル画像を動かして動画に変換することも可能となりました。これにより、従来は専門的な撮影や編集が必要だった「着用イメージ」や「商品訴求動画」を、手軽かつ効率的に作成できるようになります。
この機能は、現在Google 広告とMerchant Centerで提供されており、近日中に「Asset Studio」にも追加される予定です。
今後、自社の商品画像のみを用いて簡単に多彩なクリエイティブを作成し、訴求力の高い広告表現を迅速に展開することができます。
画像・参考:Google AIが創造性を高める4つの新しい方法
https://blog.google/products/ads-commerce/google-ai-ads-creative/
ショッピング広告の新たな動画広告フォーマットが導入予定
ショッピング広告にて、Googleの検索結果画面に動画フォーマットが導入されます。現在は米国で試験中ですが、今後日本に導入される可能性もあります。
画像・参考:Google AIが創造性を高める4つの新しい方法
https://blog.google/products/ads-commerce/google-ai-ads-creative
入札戦略:広告費用対効果(ROAS)目標がアップデート
広告費用対効果(ROAS)目標において、スマート入札探索機能が追加されました。
スマート入札探索では、これまで広告主が十分に活用できていなかった、または気づいていなかったものの潜在的に価値が高い検索クエリに対して、自動的かつ積極的に入札を行えるよう支援する機能です。
従来のROAS最適化の枠を超え、さらなる成長機会を効率的に探索し、新規顧客の獲得や未開拓ユーザー層へのアプローチを促進できます。
また、スマート入札探索によって、自社製品やサービスに興味を持つユーザー層やトレンドとなりつつある検索キーワードを新たに発見することも可能になります。そのため、広告主にとっては単なる短期的な成果の獲得にとどまらず、ユーザーインサイトの発掘や今後のマーケティング戦略立案にも役立つ機能となります。
参考:Expand your universe of conversions with Smart Bidding Exploration.
https://blog.google/products/ads-commerce/smart-bidding-exploration-ai
Yahoo!広告のアップデート
【検索広告】検索連動型ショッピング広告で商品グループ作成の機能変更
検索連動型ショッピング広告の商品グループを作成する際、属性からブランドを選択できなくなりました。
これまで商品グループをブランド単位で設定していた広告グループについては、引き続き広告配信が可能であり、入札価格の編集も従来通り行えます。ただし、今後新たにブランド名を基準に商品グループを作成・運用したい場合には、「商品属性カスタムラベル」を活用する必要があります。
今後新しくブランド名で商品グループを運用したい場合は「商品属性カスタムラベル」を利用することになります。このラベルを活用することで、従来の「ブランド」属性と同様に柔軟なセグメント分けを行うことができます。広告主は、このカスタムラベルを戦略的に活用することで、より精緻な商品グループ管理と、効果的な入札戦略を実現することが可能になります。
■実施日
2025年5月20日(火)
参考:検索広告(ショッピング) SSA 商品グループ作成の機能変更について
https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20250508
【ディスプレイ広告(運用型)】入札戦略「コンバージョン価値の最大化」正式提供開始のお知らせ
ディスプレイ広告において新しい入札戦略の「コンバージョン価値の最大化」が正式に提供されることになりました。コンバージョン価値の最大化では、コンバージョンの確度よりもコンバージョンの価値を重視して入札が行われます。
■入札戦略のイメージ図
なお導入を検討する際には、以下の推奨条件を満たしているかで判断すると良いでしょう。
■入札戦略の使い分け
■実施日
2025年5月1日(木)
画像・参考:【ディスプレイ広告(運用型)】入札戦略「コンバージョン価値の最大化」正式提供開始のお知らせ
https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20250520/?page=1
Microsoft広告のアップデート
オーディエンス広告に2つの新機能
ネイティブ広告にて、ビジネスロゴ、CTA、さらに動画アセットが追加できるようになりました。
ビジネスロゴを広告に組み込むことで、視認性を高めつつブランド認知やブランド価値の向上を図ることができます。また、明確で効果的なCTAを広告に追加することにより、ユーザーが次に取るべき行動を明示的に促すことが可能となり、クリック率やエンゲージメント向上につながります。
さらに、動画アセットの活用が可能になったことで、視覚的・動的な要素を広告に取り入れ、ユーザーの関心や興味を引き付けることが容易になります。動画広告は一般的に静止画に比べエンゲージメント率が高く、より深いブランド体験や商品理解を促すことが期待されます。
参考:5月のAds Studioエディタおよびその他の製品アップデートhttps://about.ads.microsoft.com/en/blog/post/may-2025/ads-studio-in-editor-and-other-product-updates-for-may
スマート キャンペーンがパフォーマンス マックスにアップグレード
Microsoft広告でスマートキャンペーンがパフォーマンスマックスキャンペーン(P-MAX)にアップグレードされます。
スマートキャンペーンはもともと配信面やターゲティングの自動化がされていましたが、P-MAXになることでその範囲が大きく広がります。
具体的には下記のとおりです。
特徴・機能 | スマートキャンペーン | P-MAX(Performance Max) |
配信面 | 主に検索広告やショッピング広告など特定の面に限定 | 検索、ディスプレイ、ネイティブ、動画などMicrosoft全体を横断 |
AI自動化の範囲 | 入札やターゲティングの自動化が中心 | 入札、ターゲティング、クリエイティブ生成など全領域をAIが最適化 |
クリエイティブ | 基本的な広告文や画像の自動生成 | 画像・動画アセットも含めてAIが自動生成・最適化 |
ターゲティング | シンプルな自動ターゲティング | オーディエンスシグナルや予測ターゲティングを活用し、より精緻 |
運用の柔軟性 | 設定項目が少なく運用が簡単 | より多機能で細かな設定や分析も可能だが、学習期間が必要 |
目的 | 小規模・簡易運用向け | コンバージョン最大化・ROI最適化など本格運用向け |
学習期間 | 比較的短い | 1〜2週間程度の学習期間が必要 |
Google広告との連携 | なし/限定的 | Google P-MAXキャンペーンのインポートが可能 |
P-MAXでは、配信面やターゲティング、入札価格に加え、クリエイティブアセットの最適化までも自動的に行われます。これにより広告主は、これまでより広範囲かつ効率的に潜在顧客にアプローチし、より高いパフォーマンスを実現できるようになります。
特に、広告運用にあまりリソースをかけられない中小規模の企業や、運用の手間を省きつつ効果を最大化したい広告主にとっては、非常に効果的なアップグレードと言えるでしょう。
参考:5月のAds Studioエディタおよびその他の製品アップデート
https://about.ads.microsoft.com/en/blog/post/may-2025/ads-studio-in-editor-and-other-product-updates-for-may
Meta広告のアップデート
パートナーシップ広告がFacebookでも利用可能に
パートナーシップ広告とはインフルエンサーなどの動画クリエイターが投稿した動画を広告に利用できるようになる機能です。この機能が先日までInstagramでのみ使用できていたのですが、今後はFacebookでも利用可能になります。
これにより広告主は、自社で新たにクリエイティブを制作することなく、クリエイターが発信した自然なコンテンツを通じて広告を展開することが可能になります。
さらに、これまではパートナーシップ広告を配信すると、広告のヘッダー部分に広告主とパートナー(クリエイター)の名前が並んで表示されていましたが、今後は広告主の名前を非表示にするオプションが利用可能となります。この変更により、広告感が薄まり、ユーザーにより自然にコンテンツを届けることができるため、エンゲージメントや広告効果の改善が期待できます。
参考:IAB NewFronts 2025: Metaがクリエイターとブランド向けの新たなソリューションを発表
https://www.facebook.com/business/news/meta-at-iab-newfronts-2025
<最後に>
以上、2025年5月にアップデートされた運用型広告に関する最新情報をご紹介しました。
SORAMICHIでは、各媒体社からの最新情報をいち早くキャッチし、質の高いマーケティング支援を継続的にご提供しています。
今後も定期的にアップデート情報をお届けしてまいりますので、ぜひ次回もご覧いただけますと幸いです。
なお、現在運用中の広告設定に関するご質問やご不明点がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。