【CXとは?】マーケティング初心者向けにわかりやすく解説!
マーケティング担当になり、顧客に対して商品やサービスの訴求をどのようにすればいいのか悩んでいませんか?
顧客に対して商品やサービスを訴求するためには、顧客が何を求めているのか、そのうえでどのような”価値”を顧客に想起させることが重要となります。
今回は、マーケティング担当者が顧客への訴求ポイントを掴むための”CX”についてご説明していきます。
CXとは
CXとは、”Customer Experience”の略で、「顧客体験」もしくは「顧客体験価値」という意味にあたります。
詳しく説明すると、
「顧客が商品やサービスを体験して、”顧客”の視点からその価値を感受すること」を意味します。
ちなみに、ここでいう「価値」とは、「商品やサービスを購入する前の対応から購入後のサポート」まで、顧客が自社商品に関して体験したすべてが対象です。
では、なぜCXが重要になってきたのか。その理由から説明しましょう。
CXが重要視されるようになった背景
CXが重要視されるようになった背景として、大きく2つの理由が挙げられます。
① 商品やサービスだけでは差別化しにくくなった
② 顧客の選択肢が増えた
1.商品やサービスだけでは差別化しにくくなった
1つ目は、商品やサービスが単体で差別化しにくくなったという点です。
すでに成熟してしまった市場には、似通った商品やサービスが溢れているため、今までは価値のあったものでさえも「一般的な価格」でしか購入されない傾向にあります。
また、価格や機能といった商品やサービスそのものが持つ「合理的な価値」だけでは勝ち残っていくことは、非常に困難になります。
しかし、CXを取り入れることによって、商品やサービスの合理的な価値に、「感情的な価値」がプラスされ、差別化がしやすくなります。
例えば、冷蔵庫の購入を考えている顧客がいるとします。市場では同じような価格帯・似たような機能・優れたデザイン性の冷蔵庫が、各ブランドから多く販売されています。
そんな時にCXの改善として、家電量販店の担当者が丁寧な顧客対応をしたり、購入した後のアフターサービスを徹底するといった「顧客体験価値」をプラスします。その結果、顧客は競合他社にはない体験や感動を経験することができます。
このように、価格、機能、デザイン性の「合理的な価値」に「感動的価値」がプラスされることで、顧客は商品に対して満足度を感じ、「商品を購入してよかった」「また、この商品や企業から購入したい」という”顧客ロイヤリティ”を高めることができます。
2.顧客の選択肢が増えた
2つ目は、顧客の購買行動の選択肢が増えたことです。
以前は、店舗や通信販売など、顧客の購買ルートはある程度限定されていました。しかし、今はインターネットやスマートフォンの普及により、SNSやネットショップなどが登場し、顧客と商品・サービスとの接点が多様化・複雑化しています。
顧客はあらゆる手段を使って、商品やサービス、さらには製造・販売する企業についても調べたり、SNSで口コミを収集したりして、あらゆる情報から商品を購入するかどうかを判断するという方法が当たり前となりました。
感情的価値とは
先ほど、CXが重要視されるようになった背景として「感情的価値」について記載しました。
感情的な価値といっても、人には多くの感情があります。では、どのような感情的な価値を満たすために訴求をするといいのでしょうか?
購買につながる可能性のある、感動的な価値を5つご紹介します。
1)Sense:感覚的価値
Senseとは、人間の五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)で感じる経験価値
2)Feel:情緒的価値
Feelとは、顧客の感情や内面に働きかける経験価値
3)Think:知的価値
Thinkとは、知的欲求に働きかける経験価値
4)Act:行動・ライフスタイルに関わる価値
Actとは、顧客の行動に新しい価値を提供する経験価値
5)Relate:社会的経験的価値
Relateとは、特定の集団に所属することで得られる経験価値
この5つの「感情的価値」を参考にして、マーケティングを担当する商品やサービスが顧客に対して、どのような価値を提供できるかを考えてみて、その商品やサービスならではの”訴求ポイント”を見つけましょう。
CXを改善・向上させる流れ
CXを改善する流れを、3つのポイントを踏まえた上で説明します。
1.ターゲット像を見直す
まず、最初にするべきことは、自社の商品やサービスを購入・使用している顧客が、どのような人物で、どのような体験を求めているかを考え直し、設定しているターゲットの見直すことです。
次にペルソナの設定を行います。年齢、性別、職業、ライフスタイルなどを決めて、詳細なペルソナを作成すると、どのようなCXを提供するべきかが具体的に考えやすくなります。
2.顧客の課題を特定し、施策を考案・実行する
次に、現状のCXの課題を特定し、それに対する施策を立案、実行していきます。その際に、先ほどのペルソナと併せて、カスタマージャーニーマップを作成します。
カスタマージャーニーマップとは、「顧客が企業や、その商品やサービスを認知し、購入し、離脱していくまでの一連のプロセスを可視化」したものです。
例えば、設定したペルソナが自社の商品やサービスを認知する際に、どのような媒体から情報取得するのか。商品やサービスに対して、どのような問題を感じ、解決していくのか。
作成したカスタマージャーニーに沿って、行動や心理を整理&分析したうえで、顧客の課題を解決する施策を実行することで、顧客を満足させることができます。
3.データを活用し、分析する
課題を特定し、解決できる施策を実行して終わりではありません。実際に、その施策が顧客の求めているものになっているのか、そもそも施策がずれていないかどうかを確認する必要があります。
さらに、当初は効果的であった施策が、時間が経過するうちに機能しなくなる場合もあります。
そこで、顧客満足度調査やNPSなどの調査を実施、分析して、商品やサービスが顧客にとって適切なものになっているかどうかを客観的に把握しましょう。
*NPS(Net Promoter Score)
NPSとは、顧客ロイヤリティを数値化する指標のことです。
NPSの計算方法
・商品やサービスに関して【どれくらいおすすめしますか?】と0~11のアンケートを実施
・0~6を【批判者】、7~8を【中立者】、9~10を【推奨者】として設定します。
・0~6の【批判者】の数を集計し、割合を算出します。
・9~10の【推奨者】の数を集計し、割合を算出します。
・【推奨者の割合】ー【批判者の割合】を引きます。
・「%」表記を省略した数値がNP’Sスコアとなります。
NPS調査において、批判者が0~6と広いのに対し、推奨者が9、10に限られることに加え、日本の消費者は中間付近の評価を行う傾向が高いとされています。そのため、日本の消費者を対象に調査したNPSはマイナスになることが多くなります。
NPSを上げるということは、推奨者が増えるということです。
推奨者の設定は「9~10」と厳しい設定になるため、NPSが高いということは商品やサービスに対してポジティブな感情を持っている顧客であるため、ポジティブな口コミを広めてくれる可能性があります。
NPSを上げることは、企業の売り上げに対してもポジティブな影響を与えることに繋がります。
まとめ
CXの理解は深まったでしょうか?
CXを改善する際には、まずは現状把握です。顧客が商品やサービスを体験する際に、どのような「感情的な価値」を感じているのかを調べます。
その上で、商品やサービスのターゲットを見直し、それに伴う施策を行います。さらに分析を繰り返しながら、PDCAを回すことです。
マーケティング初心者には、少しハードルが高いように感じるかもしれませんが、これがCX向上の一番の近道です。もし、改善中に迷いそうになったら、こちらの記事を読んで、正しくCXを向上させましょう。