「KARTE」の機能を活用したN1分析を解説

KARTEは、顧客体験(CX)向上に期待されるWeb接客ツールであり、個々のユーザー行動を線で捉えてユーザー理解を深める分析に適しています。2023年末の「KARTE Blocks」のアップデートに加え、2024年以降も継続的な新機能追加や「KARTE Datahub」との連携強化が進み、N1分析の幅と精度が大きく向上しています。

この記事では、KARTEの機能を活用したN1分析の手法や具体的な事例について、詳しく解説します。

KARTEの基本についてもっと詳しく知りたい方はこちら
▶KARTEとは?導入メリット・成功事例・費用を解説

目次

N1分析とは

N1分析とは、顧客一人の行動にフォーカスし、その人の一連の行動を深堀りすることでユーザーの理解につなげるリサーチ手法です。

N1分析が他のマーケティング手法と異なる最大の特徴は、「一人の顧客行動を徹底的に掘り下げる定性的な分析であること」にあります。数値分析だけでは見落とされがちな、「なぜその行動を取ったのか?」というユーザーの文脈や感情を捉えることができるようになります。

参照:https://academy.karte.io/

N1分析に適したKARTEの機能

KARTEは、「個」を知ることに強みのあるツールです。

「ユーザーストーリー」や「KARTE Live」などを活用することで、ユーザー行動を視覚化することが可能になります。それぞれの機能の特徴を理解して、それをN1分析に活用しましょう。

参照:https://academy.karte.io/

-ユーザーリスト

任意の期間において、特定の行動に当てはまるユーザーを絞り込むことができる機能です。

検索条件から、イベント、セグメント、ディメンション等からユーザーを探すことができます。

-ユーザーストーリー

個別のユーザー行動を深堀できる機能です。
ユーザーリストで絞り込んだユーザー群の中から、ページの遷移パターンや滞在時間など詳細な情報を得ることができます。

-KARTE LIVE

サイト上での実際のユーザーの動きを、録画としてリプレイできる機能です。

ユーザー行動を動画で可視化することで、数値や言葉では表しきれない顧客の感情や文脈、背景などの”行間”を読み解くことができます。

-KARTE Datahub連携

 -KARTE Datahub連携

KARTE Datahubは、KARTE外のデータ(たとえばCDP、DWH、MAツール、LINE、アプリログなど)とKARTE内データを統合・活用できる機能です。Datahubと連携することで、KARTE内外のユーザー行動(例:アプリやLINEなど)を一元的に追えるようになり、N1分析での分析範囲が拡大します。

この機能を使えば、サイト内のユーザー行動だけでなく、購買履歴・LINEクリック・アプリ利用状況なども加味したN1分析が可能になります。

N1分析のフロー解説

では、実際にN1分析を行う際のフローについて解説します。

①分析のテーマを定める

まずは、分析のための仮説・テーマを定め、分析の目的を明確化します。

②ユーザーリストを使ってユーザー群を絞り込む

分析のテーマを元に、ユーザーリストの絞り込み条件を使用してユーザー群を絞りだします。

今回は、直近7日間の中でPCから訪れたユーザー群の絞り込みを例にしています。

③ユーザーストーリーやKARTE Liveで、ユーザー行動を追う

絞り込んだユーザー群の中から任意のユーザーを選択して、どのページを閲覧しているか、サイト上でどんな動きをしているか一人のユーザーの行動を深堀します。

④複数のユーザー行動を分析する

分析から導かれる仮説を明確なものにしていくために、指定セグメント内の不特定多数のユーザーに対しても深堀分析を行います。

各ユーザーの行動から、傾向や仮説、課題を導くヒントを見つけ出します。

⑤仮説の裏付けのデータを出す

N1分析によって導き出した仮説や課題の信憑性を高めるための裏付けデータを出します。

単なる分析で終わらず、その結果から具体的なデータを引き出し、仮説を検証します。

N1分析の事例

実際にKARTEを使ったN1分析の事例を紹介します。

事例①

KARTEで行ったN1分析の結果を元に、サイト内でポップアップ形式の接客を表示したことで離脱率の減少につながったケースです。

分析方法:ユーザーストーリーとKARTE LIVEでユーザー行動を可視化

分析結果:商品ページを行き来した後に離脱するユーザーが多い

仮説:商品を選択するのに迷っているユーザーが多いのではないか

施策:KARTEのポップアップ機能を使用して、Webサイト内の商品適正診断LPへの遷移を促す

これまで説明した分析フローを元にユーザー行動を可視化し、離脱ポイントを発見しました。

今回のケースでは、商品ページを行き来して離脱に至るユーザーが多いことから、商品を比較する際の判断に困っているユーザーが多いのではないかと仮説付けました。

KARTEの接客サービス機能を使用して、商品ページを行き来しているユーザーセグメントを対象に商品適正診断ページへの誘導施策を実施しました。

その結果、接客サービスのクリック率も高く、接客が表示されたユーザーの離脱率が減少し結果的にCVR向上に貢献する結果となりました。

事例②

ECサイトでF2転換を促進する施策を実施するためにN1分析を活用したケースです。

分析方法:ユーザーストーリーでF2転換に至ったユーザーの前後行動を分析

分析結果:F2転換しているユーザーはお気に入り登録している商品を確認しているケースが多い

仮説:お気に入り登録している商品をポップアップなどで表示することで、そこから購入につながるのではないか

施策:KARTEのポップアップ機能を使用して、お気に入り商品を表示を表示

その結果、ポップアップのクリック率も高くお気に入り商品ページを経由したCVが増加しました。

このようにユーザー行動から仮説を立てて施策につなげていくことで、N1分析から実際のユーザー行動に適したサイト改善の実施が可能です。

最後に

KARTEはユーザー行動を線で理解するのに非常に長けたツールになります。

サイト上のユーザー行動を可視化し、分析したい方は、KARTEを活用した施策の実施を検討してみてはいかがでしょうか。

SORAMICHIでは、KARTEの導入支援から運用まで幅広くサポートを提供しています。仮説の立案から効果の検証まで、伴走してPDCAを回すサポートが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

KARTE導入・運用支援サービス
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