Microsoft広告とは?特徴、仕様、始め方を徹底解説

Web関係の仕事をしている方や企業のマーケティング担当者であれば、2022年の5月から国内で配信可能になった「Microsoft広告」が実際にどれくらいの広告効果をもたらすのか、また他の広告とどう違うのか、などを気になっている方も多いのではないでしょうか?

本記事では、Microsoft社独自の検索エンジンである「Bing」への広告配信ができるMicrosoft広告の特徴から、他の広告との違いまでを、わかりやすく解説していきます。ぜひ、最後までご覧ください。

この記事を読んでわかる内容
・Microsoft広告の特徴
・Microsoft広告を導入するメリット
・Microsoft広告配信時のポイント
・Microsoft広告を始めるための手順

目次

Microsoft広告の特徴

Microsoft社が提供するMicrosoft広告は、リスティング広告を中心に、オーディエンス広告やショッピング広告など、幅広い形式の広告が配信可能です。

その他に使用者の多い「Google広告」や「Yahoo!広告」との違いについては、以下の3点をチェックしてみてください。

1.業界や職種をターゲティングできる

Microsoft広告が他の広告と異なる最大のポイントは、広告配信前にあらかじめ会社名や業界、職種をターゲティングして配信できる点です。

Microsoft社の傘下であるサービス「LinkedIn」と提携されており、LinkedInに登録されているプロフィールをもとに、広告を届けたいユーザーをターゲティングして的確に届けることができます。

つまり、狙った企業や業界に確実に届けたい商品やサービスを広告配信できるのが強みです。

「Microsof Edge」や「Outlook」など、Microsof社が提供しているサービスを継続して取り入れているビジネスパーソンは多くいます。業種・業界だけでなく、企業でもターゲティングができるので、ピンポイントな配信が可能です。

GoogleやYahoo!では、ここまで細かなターゲティングはできません。また、LinkedInのプロフィールデータを基にターゲティングも可能です。

2.3種類の広告表示オプションが使える

Google広告やYahoo!広告にはなく、Microsoft広告のみに搭載されている下記の3つのオプションもチェックしておきましょう。

①行動喚起(CTA)表示オプション
②フォルターリンク表示オプション
③動画表示オプション

①行動喚起(CTA)表示オプション

行動喚起オプションとは、検索広告の右側に次の行動喚起(CTA)を促すボタン表示のことです。CTAボタンにURLを添付することで、広告が気になるユーザーに次の商品ページに飛ばすことができます。

②フォルターリンクオプション

フォルターリンク表示オプションは、サイト内に表示されている商品の価格やサイズ、種類、ブランドなどをそれぞれまとめてカテゴリーごとに仕分けして表示してくれる便利な機能です。

例えば、広告商品として靴を掲載したい場合には、男性用の靴と女性用の靴、種類や価格などをカテゴライズしてくれるため、ユーザーからすると自分が求めているものをすぐに表示させることができます。

結果として、広告ページへのクリック率ならびに掲載商品やサービスの購入率アップに繋がります。

③動画表示オプション

動画表示オプションは名前のとおり、検索広告の右側に掲載したい商品やサービスの動画を掲載できるオプションのことです。

画面に表示されたバナーやサムネイルをクリックすると動画が再生され、広告動画が流れ始めます。

同時に、広告内のボタンをクリックすると商品詳細ページに遷移する仕組みとなっています。

また、動画をクリックしなくとも、動画の上にマウスを置いたときにテキストが表示される「代替テキスト」や、動画を再生した際に動画の真下に表示される表示テキストなども自由に設定可能です。

3.入札できるキャンペーンタイプ

Microsoft広告には、目標コンバージョン単価や拡張クリック単価、コンバージョン数の最大化など、Google広告やYahoo!広告と同じ入札戦略が用意されています。

しかし、Microsoft広告が使用できるキャンペーンタイプはGoogle広告やYahoo!広告とは異なります。

例えば、拡張クリック単価のキャンペーンタイプは「検索」と「ショッピング」時にサポートされ、「目標コンバージョン単価」は「検索」のみにサポートされるといった具合です。

さまざまな種類のキャンペーンタイプがあり、上手く使い分けることで狙った通りの広告配信効果が望めます。

Microsoft広告の特徴・メリット

上段でMicrosoft広告が、Google広告やYahoo!広告と異なる点について説明しました。ここからは、Microsoft広告の特徴やメリットについてご紹介します。

1.Bingへ広告配信ができる

Microsoft広告の最も大きな特徴は、Microsoft社のデフォルトの検索エンジンであるBingに広告配信ができる点です。

Bingの利用ユーザーはGoogleと比べると少ないものの、ユーザー数は年々増加傾向にあります。

Windowsが搭載されているパソコンを購入した場合、ユーザーがデフォルトの検索エンジンを変更しない限りは、最初に利用する検索エンジンはBingなので、Windowsユーザーに対して広告の配信が可能となります。

画像引用:https://gs.statcounter.com/

2.ビジネスパーソンにアプローチしやすい

Microsoft製品は主にビジネスユーザーの利用が圧倒的に多いため、ビジネスパーソンに広告をアプローチしやすいのが強みです。

また、Windows製品は有料のものが多いため、偽アカウントなどの心配も少なく、個人データへの信頼度も高いので、安心して広告を配信できます。

3.独自の広告フォーマットが充実している

Microsoft広告はGoogle広告やYahoo!広告にはない、独自の広告フォーマットが充実しています。もちろん、Googleで提供されている広告表示オプションもあります。

例えば、サイトリンク表示オプション、コールアウト表示オプション、構造化スニペットなどです。

幅広い表示オプションを有効活用することで、狙った成果を出せたり一定以上のパフォーマンスを出すことができます。

さらに、バーティカル広告も用意されています。バーティカル広告とは、Microsoft広告が事前に用意している専用のデータフィードを用いて、ユーザーの検索結果をもとに動的な広告を配信してくれるものです。

バーティカル広告の種類には「自動車」や「クレジットカード」、「健康保険」や「おすすめスポット」などがありますが、日本で利用ができるのは「自動車」のみです。今後おそらく、さらにさまざまな種類のバーティカル広告の導入が可能になると予想されています。

4.さまざまなサイトへオーディエンス広告の配信できる

Microsoft広告の強みのひとつが、検索広告はもちろんオーディエンス広告の配信ができる点です。オーディエンス広告の配信先に、Microsoft Audience Network(マイクロソフト オーディエンス ネットワーク) と呼ばれるMSN、Outlook.com、Microsoft Edge などがあります。

その他、配信できるパートナーは今後増えていくと予想されています。

オーディエンス広告は、GoogleやYahoo!広告でいう「ディスプレイ広告」にあたります。ウェブサイトを閲覧している際に表示されるバナー画像と広告文がセットで表示される広告のことです。

5.利用者の属性がハッキリしている

Microsoft社の製品を利用している属性は、主に16歳〜24歳のユーザーと、45歳以上のユーザーが多いとされています。

中学校や高校、大学などに置かれているパソコンはMicrosoft社のものが主流です。かつパソコンを持つきっかけとなった「Windows 95」が発売され、そのときにパソコンを購入した世代が年齢を重ねた今でも、使い慣れたWindows製品を愛用している方がたくさんいます。

Microsoft広告を成功させる3つのポイント

ここまで読み進め、実際にMicrosoft広告の配信を検討している方、もしくは企業のマーケティング担当者に向けて、Microsoft広告を配信する上で、より広告効果を最大化し、成功させるために押さえておくべき3つのポイントについて解説します。

1.配信結果をもとに定期的に改善してみる

Microsoft広告以外のすべての広告を運用する際にも同じことが言えますが、広告を配信して得られたユーザーデータをもとに、定期的に広告内容を改善してみましょう。

あらかじめ設定した目標に対し、設置したリンクのクリック数や商品・サービスの購入数などを算出し、得られたデータを踏まえて次の施策を考えるというサイクルを繰り返すことで、目標達成に近づいていきます。

2.ターゲットを限定的にしない

冒頭でも述べたとおり、Microsoft広告は配信先を狙って広告を打てることが強みです。しかし、あまりにも広告を届けたいターゲットを細かく設定しすぎると、狙ったユーザー以外への広告露出機会が少なくなり、結果的に広告の成果が上がりにくくなります。そのため、最初は広告配信のターゲットをある程度広めに設定しておきましょう。

3.広告アセットを多く入稿する

広告アセットをなるべく多く入稿することが、Microsoft広告の効果をより最大限に発揮させる要因の1つです。広告アセットとは、広告文の他に価格やサービスの詳細、価格など広告を構成するコンテンツのことです。

オーディエンス広告と検索広告によって、設定できる広告アセットの上限数が異なるものの、上限数まで必ずセットするようにしましょう。広告商品の説明文や見出しを複数種類用意することで、広告表示してくれるパターンも多様になり、狙った成果が出せる可能性が高まります。

Microsoft広告は、Google広告やYahoo!広告と比べて配信ボリュームが少なく、PDCAを回しにくいので、Microsoft広告単体の成果だけではなく、他の広告媒体の成果もセットで勝ち傾向のものは流用するなどもすると良いでしょう。

Microsoft広告の運用を始める3STEP

ここからは、実際にMicrosoft広告を運用するために必要な3ステップを説明していきます。

1.事前準備

まずはMicrosoft広告を配信するための事前準備として、Microsoft広告のアカウントを発行しましょう。発行に当たっては

・アカウント名
・住所
・電話番号
・タイムゾーン
・通貨

の項目が求められます。これらをすぐ入力できるように、必要な情報をあらかじめ準備しておきましょう

2.Microsoftアカウントの作成

続いて、Microsoftアカウントを作成していきます。

以下のURLより、アカウント作成画面に飛ぶことができます。

アカウント作成URL:https://about.ads.microsoft.com/ja-jp/get-started/sign-up

登録に関して必要なメールアドレスを入力し、パスワードを設定してください。その後の案内に従って、必要な項目を入力していけば、登録が完了します。

登録が完了すると、登録したメールアドレス宛てに登録完了確認のメールが届きます。

3.Microsoft 広告アカウントの作成

Microsoftアカウントの登録が完了したら、次にMicrosoft広告アカウントの作成が必要です。

Sign Up用 URL:https://about.ads.microsoft.com/ja-jp/get-started/sign-up

再度上記のURLより「Sign Up」をクリックし、登録画面に移ります。続いて「エキスパート モードで最初のキャンペーンを作成する」より「新しいキャンペーンを作成する」をクリックして次に進んでください。

この時すでに、GoogleアカウントもしくはFacebookアカウントを持っている場合には、それぞれインポートできるボタンがあるので、そちらを押してください。

続いて、キャンペーンを作成するかを選択するコマンドが現れます。これは、後からでも設定できるため、マストではありません。最初に用意した事前情報を入力し、条件に同意すると、登録が完了します。

Microsoft広告でよくある質問

実際にここからは、Microsoft広告に関してよくある質問をまとめてみました。疑問を持っている方はぜひここで解消してみてください。

Q.Microsoft広告を取り入れるべきか悩んでいる…

実際に自分がMicrosoft広告を配信したほうがいいのか分からないという方は、アクセス解析ツールなどを利用して、サイトへ訪問してくれた方のBingやEdgeの利用状況を確認するのをおすすめします。

また、キーワードプランナーを利用して配信ボリュームを見積もるのも選択肢のひとつです。

Q.Yahoo!広告を配信していたら、Microsoft広告は不必要?

実は、Yahoo!広告からもパートナーサイトとしてBing広告へ配信ができるため、Microsoft広告は不要だとする質問もよくお聞きします。しかし実際には、Microsoft広告とYahoo!広告ではユーザーが最適だと思う広告コンテンツが異なります。

つまり、Yahoo!広告からパートナーサイトとしてBing広告へ配信していたとしても、Microsoft広告のみの独自のユーザーに適切に届けられるのでMicrosoft広告への配信はとてもおすすめです。

Q.Bingの検索結果とYahoo!の検索結果が競合しあってCPCが上がってしまうのでは?

Bing広告とYahoo!広告はまったく別の配信広告ネットワークなので、競合しあってCPCが上がるということはありません。そのため、両者に広告を出してもまったく問題ありません。

Microsoft広告を有効活用して売上アップを狙おう

Microsoft広告の特徴やメリット、Google広告やYahoo!広告との違いについてご紹介しました。

Microsoft広告はMicrosoft社のデフォルトの検索エンジンであるBingに広告が配信でき、主にビジネスユーザーがメインの属性であることがお分かりいただけたでしょうか。

Microsoft広告は利用者の属性に特徴があるため、ビジネス向けの商品やサービスの配信がおすすめです。他のプラットフォームに比べてもかなり充実した機能が付いているMicrosoft広告の今後のさらなるアップデートには目が離せません。

Microsoft広告の配信を検討している方はもちろん、企業のマーケティング担当者は、ぜひ本記事を参考にして、業務に活かしてみてくださいね。

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