Pinterest アド(ピンタレスト広告)とは? 特徴や費用、出稿手順を徹底解説

画像や動画などのクリエイティブを新しく作るときのアイデアに困った際に役立つPinterest(以下、ピンタレスト)。

ピンタレストは全世界で4億人以上、日本では約870万人のユーザーが利用しています。そんなピンタレスト内に配信できるPinterest アド(以降、ピンタレスト広告と表記)が日本国内で配信可能になったのは2022年6月と、まだまだ最近の話です。

本記事では、広告業界ではまだ新しいピンタレスト広告の特徴や費用、出稿手順などを詳しく解説していきます。

ピンタレスト広告への出稿を検討しているマーケティング担当者はもちろん、ピンタレスト広告について詳しく知りたい方にもおすすめの記事です。

本記事を最後まで読むことでピンタレスト広告の特徴やメリットなどを理解できるので、ぜひ、最後までお読みください。

目次

Pinterest(ピンタレスト)とは

Pinterest(ピンタレスト)とは、インターネット上に散らばっている画像や動画を検索して、気に入ったものをブックマークしたりシェアしたりできるプラットフォームです。

ピンタレスト上には「スポーツ」、「ファッション」、「インテリア」などさまざまなジャンルに区分されており、誰でも手軽に簡単に検索ができます。

ピンタレストは世代や性別を問わず幅広い属性の人に利用されています。男女比率を見てみると、女性が57%、男性が43%と、どちらかというと女性の割合が多いです。世代別で見てみると、利用者数の約半数がミレニアル世代といったデータがあり、若い世代を中心に多く利用されていることが分かります。

ピンタレストとよく比較されるのがInstagramです。ピンタレストとInstagramは似ているようで実は異なります。Instagramはユーザーの投稿がメインに表示されるのに対して、ピンタレストはWeb上の画像が表示されます。

また、それぞれの利用目的ですが、Instagramは訪れた場所や体験などを投稿し、それをシェアし合うのに対し、ピンタレストはどちらかというと新しいアイディアやクリエティブを生み出す際に、インターネット上の画像や動画などの既存のクリエイティブを情報収集するために使われることがほとんどです。

このようにピンタレストとInstagramを比べると、そもそもの目的が全く異なるのが理解できます。

ピンタレストではファッションモデルの全身画像を頻繁に見かけたり、縦型画像の検索結果が多い傾向があります。また、検索をしなくとも、以前にお気に入りしたり検索した類似の画像が、ホーム画面に流れてくるので、ワード検索をしなくてもアイデアを探すことに長けています。

ピンタレストでできること

ピンタレストの機能は大きくわけて3つあります。それぞれひとつずつ説明していきます。

1.ピンを作成できる

ピンタレスト特有の機能のひとつが、お気に入りの画像や動画を発見したらピンを刺せることです。

ピンとは、いわゆるブックマーク保存のようなもので、指したピンはホーム画面やフィード検索時に表示され、クリックするといつでもピンを差した画像や動画を確認できます。

2.他の人のピンもブックマークできる

出典:Pinterest 「Pinterest について

ピンタレストは自分が指したピン以外にも、他人が指したピンもブックマークできます。

このことをリピンと言います。ホームフィード画面から良さげな投稿を見つけたら、「保存」ボタンをクリックすればリピンは完了です。

他人がいいなと感じたクリエイティブを気軽にリピンで保存できるため、後から見返したいときに探す手間が省けてとても便利です。

3.ボードの作成やフォローができる

ピンタレストはピンを刺したりリピンした投稿に対して、ボードを作成して整理することができます。

ピンタレストでたくさんの投稿を保存していると、どんどんピンが溜まっていきます。

そこで、ボードを作成してジャンル毎に分けることで、後から見返したときにどの投稿がどこに整理されているか迷わずに済みます。

ピンタレスト広告の大きな特徴3つ

ピンタレスト内に配信できるピンタレスト広告の大きな特徴は、大きく分けて下記の3点です。ひとつずつ解説します。

1.広告感のない自然な投稿

ピンタレスト広告は通常の投稿と同じような形で配信されます。そのため他の広告と比較しても、ユーザーからすると広告感がなく、広告特有の鬱陶しさも少ないのが特徴です。

さらに、広告感を消したい場合には、広告のクリエイティブを作る際により通常の投稿のような自然な投稿を意識して作ってみると、ユーザーにクリックされやすいでしょう。

2.情報を探しているユーザーヘ訴求できる

驚くことに、ピンタレスト公式サイトによると、ピンタレストを利用しているユーザーの約97%が非指名検索だという事実があります。

これはつまり、ほとんどのユーザーは明確な目的がなく、アイディアを探すためにピンタレストを利用していることを示しています。つまり、ピンタレスト広告を配信すると、新しいアイディアを探し求めている属性のユーザーへ広告を届けることができます。

3.多種多様なフォーマットやクリエイティブの配信が可能

ピンタレスト広告は広告を届けたい属性のユーザーに合わせて、多種多様なフォーマットやクリエイティブの配信が可能です。

配信商材とそのターゲットに合わせてもっとも適切な配信方法を選択することが重要です。

ピンタレスト広告のターゲティング設定

ピンタレスト広告の配信目的は、大きく分けて下記の3つです。

1.広告商品(サービス)の認知度を高める
2.比較検討を促す
3.コンバージョン数を増やす

上記の目的を達成するために、ピンタレスト広告では下記の7種類のターゲティングオプションが用意されています。

それぞれの種類と概要を簡単に説明します。

ターゲティングオプション概要
オーディエンス顧客情報とユーザーの利用動向を組み合わせて、該当するユーザーへのアプローチが可能です。これまでにウェブサイトへ訪問したことがあるユーザーや、ピンタレストの特定アカウントで何かしらのアクションを取ったことがあるユーザーへアプローチします。
アクトアライクオーディエンス既存のオーディエンスと類似するユーザーへアプローチが可能です。
インタレスト似ているユーザーの情報をもとにして、広告に関連したトピックを表示してくれます。
キーワードユーザーがピンタレスト際に、特定のキーワードやフレーズを含める、もしくは除外してくれます。
属性・性別・年齢・場所・言語・デバイス
上記5つの情報をもとに、オーディエンスをしぼって配信してくれます。
プレースメントピンタレスト広告の表示場所を、ホームフィード、検索結果、関連するピンから選択できます。
拡張さまざまな設定に基づいて、似ているキーワードとインタレストを検索しているユーザーに対しても、ターゲティングし、自動的に広告配信してくれます。

フィード広告では、22年にデモグラ配信しかできなかったため、どの配信形式でどのオーディエンスを使用できるか、あらかじめ注意をしておくことが必要です。

ピンタレスト広告の掲載場所

ピンタレスト広告が配信される場所は、下記の3つです。

1.ホームフィード
2.検索
3.ホームフィード+検索(すべて)

ピンタレストのアプリを最初に開いたときに出てくるのが、ホームフィードです。より多くのユーザーにリーチさせたい場合には、配信を開始する際にホームフィードと検索の両方に広告を配信することをおすすめします。

ピンタレスト広告のフォーマット7種

ピンタレスト広告には、7種類のフォーマットが用意されています。

フォーマット詳細
1.画像最も基本的なフォーマットで、1枚の画像とタイトル、説明文で構成される。
2.カルーセル2〜5枚の画像とタイトル、説明文で構成される。
3.スタンダード動画通常の動画と同じように動画を投稿できる
4.ワイド動画ユーザーのモバイル画面全体に動画広告を配信できる。
5.アイディア複数枚の画像や動画、テキストを組み合わせた広告。
6.ショッピングデータフィードを利用した広告で、ピンタレストで見つけた商品を購入できるのが特徴。
7.コレクションメイン画像+その他の画像3枚で表示される広告。

それぞれ上記7種類のフォーマットは、ピンタレスト広告の配信目的によって利用できる広告フォーマットが異なります。

下記がそれぞれ、キャンペーン目的とそれに対応するフォーマットです。

キャンペーン目的対応フォーマット
ブランド認知度画像・カルーセル・動画・ワイド動画・コレクション・アイディア
動画視聴回数動画・ワイド動画
比較検討動画・ワイド動画
コンバージョン数画像・カルーセル・動画・コレクション・アイディア
カタログ販売ショッピング・コレクション

ピンタレスト広告の入札方法

上記で、ピンタレスト広告のキャンペーン目的は「ブランド認知度」、「動画視聴回数」、「比較検討」、「コンバージョン数」、「カタログ販売」があるとお伝えしました。

その上で、それぞれの入札方法は以下の通りになってます。

キャンペーン目的入札方法
ブランド認知度インプレッション単価
コンバージョンインプレッション単価
比較検討クリック単価
動画視聴広告視聴単価(動画を2秒以上視聴した場合、1回とカウント)
カタログ販売顧客獲得単価(1コンバージョンあたりの金額)

ピンタレスト広告の配信準備

ここからは、実際にピンタレスト広告を配信してみたい、という方に向けて配信準備の4つのステップを紹介します。

ステップ1.ビジネスアカウントの開設

ピンタレストには「個人アカウント」と「ビジネスアカウント」の2種類がありますが、ピンタレスト広告を配信したい場合には「ビジネスアカウント」を選択しましょう。

万が一、個人アカウントでアカウントを作成してしまった場合でも、あとから「設定」をクリックして「アカウント設定」の項目のところからビジネスアカウントへ切り替えが可能です。

ビジネスアカウントが作成できたら、アドアカウントをクリックして、画面右上にある「アドアカウントを作成する」をクリック。その後、基本情報やお支払い情報など、画面に沿って必要な情報を入力していけばアカウントの開設は完了です。

ステップ2.Webサイトの認証

ピンタレスト広告は、ピンに外部リンクを入れることができます。しかし、外部リンクを設定する場合には事前にウェブサイト上での認証が必要となります。

認証手順は、設定画面の「設定」をクリックし、「ドメイン・アカウントの認証」をクリック。その後、認証方法を選択する画面が出てくるため、必要なものを選び、認証許可が降りるのを待てばOKです。

より詳しく認証方法を知りたい方は、ピンタレスト公式サイトをご覧ください。

ステップ3.ピンタレストタグの設定

ピンタレスト広告配信前にはピンタレストタグの設定を完了しておきましょう。

ピンタレストタグを設置することで、サイトを訪れたユーザーをターゲティングできたり、サイト上で行ったアクションをトラッキングできたりするメリットがあります。

サイトによってタグを設置する手順は異なるため、同じく詳しく知りたい方は公式サイトをご覧ください。

ステップ4.アドアカウントの権限

広告配信の準備は上記で完了ですが、もしもピンタレスト広告の運用を代理店に依頼しようと思っている場合には、アドアカウントの権限を付与するのを忘れないようにしましょう。

設定画面の「ビジネスアクセス」から「パートナー」を選択して、「パートナーを追加する」より、権限を付与したいビジネスIDを入力します。

続いて、「あなたのアドアカウントやツールへのアクセス権を付与します」を選択し、付与したいアドアカウントを選び、「管理者」にチェックすれば権限付与は完了です。

ピンタレスト広告の配信

ピンタレスト広告の配信準備が完了したら、いよいよ次は配信設定をしていきます。

1.キャンペーン作成

まずは、キャンペーンを作成していきましょう。管理画面を開いたら、「広告」より「広告を作成する」を選択します。

すると下記のような画面が出てくるので、キャンペーンの目的を選びます。

その後は、キャンペーンの予算やスケジュール、開始日時や終了日時などを選択します。

日時はUTC(世界協定時)が基準となっており、日本時間と比べると約9時間の時差があるため、明確な時刻に広告を配信したい場合には注意が必要です。

2.アドグループの設定

続いて、アドグループの設定に移ります。最初にターゲティング設定画面より、ターゲットの設定をします。

「自分でターゲットを設定する」を選択し、続いて属性やインタレスト、キーワードなどを定めていきます。

続いて入札方法を選択します。「自動」と「カスタム」の2種類がありますが、迷ったら「自動」を選択すればOKです。

3.クリエイティブを作成する

アドグループの設定が完了したら、クリエイティブを作成しましょう。クリエイティブは「ピンを作成する」より選択可能です。

「ピンを作成する」をクリックし、画像や動画、タイトル、説明文を入れていきます。

画像であれば20MB以下、動画であれば2GB以下が条件です。その他、サイズやファイル形式にも細かく指定されているため、詳しくは公式サイトを確認してください。

4.審査に通過すれば配信完了

ここまで設定すれば、あとは審査の結果を待つだけです。審査にはおよそ24時間ほどかかります。

もし審査に通らなかった場合には、設定内容のどこか1部が広告ガイドラインに違反している可能性が高いので、再度内容を見直し、修正して再申請しましょう。

ピンタレスト広告を配信する上での3つのポイント

ピンタレスト広告を配信する上で、抑えておくべきポイントは3つあります。ひとつずつ解説します。

1.定期的に結果を振り返って改善する

ピンタレスト広告を配信したら、実際にどれくらい成果や結果が出ているのかを定期的に振り返るのが大切です。

成果を振り返る際には、クリック率や顧客獲得単価(CPA)などをチェックすると良いでしょう。

もし思ったよりも成果が出ていない場合には、しっかりと要因を分析して、今後に活かしてみてください。

2.広告クリエイティブは、サイズや尺にこだわる

配信広告のクリエイティブサイズや尺にはこだわって作成しましょう。

画像広告の場合には、縦長の画像を使って、画面いっぱいに表示させることが大切です。その他、ロゴやテキストなども見やすい位置に配置し、読みやすい、適切な量の文章を添えるとなお良いでしょう。

動画広告の場合は、6秒〜15秒が推奨されており、サイズは正方形もしくは縦長をおすすめします。ユーザーの興味をより惹くためにも、最初の数秒間でインパクトを与えられるように工夫するのもポイントです。

3.ターゲティング設定は細かくしすぎない

ピンタレスト広告はキーワードやインタレストのジャンルがかなり豊富で、細かく設定することが可能です。

しかし細かく設定すればするほど、露出するターゲットの領域も狭くなり、広告の成果が上がりづらくなってしまいます。

初めてピンタレスト広告を配信する場合には、最初は広めにターゲティング設定しましょう。

ピンタレスト広告の管理画面とGAでは、CV数にかなり乖離があったため、どこでKPIを図り、貢献度を確かめるかは注意が必要です。

ピンタレスト広告を有効活用して、売上を伸ばそう

ピンタレスト広告の特徴やフォーマットの種類、設定方法について紹介しました。

ピンタレスト広告は新しいアイディアを探しているユーザーに対して、広告感のない自然な投稿で広告配信ができます。フォーマットの種類も豊富なので、広告を届けたいユーザーに対して的確に届けることができます。

ピンタレスト広告の配信を検討している方はぜひ、本記事を参考にしてみてくださいね。

参考
Pinterest Business「ひらめきを行動につなげる「Pinterest アド」、登場
Pinterest Business「行動へと促す Pinterest アド
Pinterest ヘルプセンター「ターゲティングオプションを確認・選択する
Pinterest ヘルプセンター「プレースメントターゲティングを設定する
Pinterest ヘルプセンター「広告仕様を確認する
Pinterest ヘルプセンター「キャンペーンの目的を選択する
Pinterest ヘルプセンター「アドアカウントを共有してアクセスを管理する

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