TikTok広告とは? 種類、費用、出し方、事例を徹底解説

若い世代を中心に利用されているSNSの代表格・TikTok上には、音楽やスポーツ、文化などさまざまなジャンルのショート動画がアップされているほか、TikTok広告を利用して認知拡大や売上を増加させている企業も多数存在します。

本記事では、実際にビジネスにも展開されているTikTok内に配信できるTikTok広告のメリットや種類、費用相場、出稿手順などについて解説します。本記事を最後まで読むことで、実際に他の広告とTikTok広告がどういった点で異なるのかが理解できます。

TikTok広告への配信を検討しているマーケティング担当者の方は必見の内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。

本記事で分かること
・TikTok広告のメリット
・TikTok広告の種類や費用相場感
・TikTok広告のターゲティングの種類
・TikTok広告の出稿手順や事例
・TikTok広告で抑えておくべきポイント

目次

TikTok 広告とは

出典:TikTok

中国のByteDance(バイトダンス)社が運営するTikTokは、縦長のフルスクリーン動画が特徴のSNSです。そんなTikTok内に配信できるのがTikTok広告です。

TikTokは撮影した動画に豊富な種類の音楽を付けられるほか、フィルターの種類も多数用意されており、それらの機能を組み合わせたユニークな動画を誰でも簡単に作成できます。さまざまなバリエーションの動画がたくさん投稿されており、かつ短いショート動画なのでユーザーは最後まで飽きずに見ることができます。

TikTokの利用ユーザーは全世界で10億人を突破し、日本でも月間アクティブ数が1,700万人(2021年8月時点/App Annie 調べ)が利用しています。また、ユーザーの平均年齢は34歳ですが、特に若い世代を中心に頻繁に利用されていることがデータで分かっています。

TikTokは10代中心のメディアだと思われていますが、博報堂の調査結果によると、平均ユーザー年齢が34歳となっており、Z世代だけではなくミレニアル世代までが見ているメディアだと分かります。

実際に、ビジネスに関連したジャンルでの動画投稿が全体的に伸びており、他のSNSと比べて、ユーザー数獲得の余地が大幅に見込まれるため、今後も伸びていくSNSメディアだと考えられます。

TikTok広告のメリット

TikTok広告のメリットを紹介します。TikTok広告を出すメリットは下記の4つです。ひとつずつ解説していきます。

1.若い世代の人に認知してもらえる

出典:総務省「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

TikTokは、10代〜20代の利用ユーザーが多いため、若い世代ユーザーに確実にリーチすることが可能です。

また、TikTokで配信されたコンテンツをそのまま、TwitterやInstagramにシェアする人も多数いるため、他のSNSを利用しているユーザーにも広告商品を認知してもらえるといったメリットがあります。

2.拡散されやすい

TikTokは利用ユーザー数が多く、話題になっている投稿はすぐに拡散されやすいという特徴があります。

拡散された投稿はより多くの人に認知され、想定以上の広告効果を発揮してくれます。TikTokで話題となった商品が売れたときに使われる、「TikTok売れ」という言葉が登場したように、TikTok広告は多くの人に拡散されることで、より強い広告効果をもたらします。

そのため、広告を配信する場合には、拡散してもらえるような動画コンテンツを意識して作成するのが大切です。

3.広告に対して抵抗感を持たれにくい

TikTok広告は他の広告と異なり、最低視聴時間がありません。画面をいつでもスクロールするだけで広告をスキップできるため、TikTok広告に対して抵抗を持たれにくい特徴があります。

またTikTok広告は、良い意味であまり広告感がないため、ユーザーはストレスを感じにくく、それゆえに抵抗感をもたれにくい傾向にあります。

4.少額から広告運用ができる

TikTok広告はInstagram広告やFacebook広告と同様に、少額から広告出稿が可能です。そのため、まずはお試しに少額から広告運用してみて、成果が出始めたら少しずつ広告費をアップしていくといった運用方法も可能です。

LINE広告やInstagram広告はバナーが中心ですが、TikTokは動画がメインのクリエイティブです。そのため、静止画のバナー中心であるLINEやInstagramよりも、TikTokの方が情報力を多く盛り込めて、商品やサービスの認知拡大目的として、有効活用することが期待できます。

TikTokの広告の種類と費用相場

続いてTikTok広告の種類と費用相場について解説します。

TikTok広告の種類は、「起動画面広告」「インフィード広告」「ハッシュタグチャレンジ広告」の3種類に分けられます。

起動画面広告

TikTokアプリを立ち上げたときに表示されるのが起動画面広告です。起動画面広告には、「画像」、「GIF画像」、「GIFアニメーション画像」の3種類があります。

それぞれの広告表示時間ですが、画像広告は表示時間が3秒間、GIF画像とGIFアニメーション画像は3〜5秒間させることができます。

起動画面広告の特徴は、ユーザーへの高い訴求力です。アプリを起動すると、画面いっぱいに縦型フルスクリーン画像が表示されるため、ユーザーからすると印象が強く残るのが理由です。

ただし、起動画面広告を表示させられるのは1日に1社限定なので、広告枠の費用がとても高く、かつ競合が多すぎるため広告枠を確保するのがとても難しいという面もあります。

費用については、1000インプレッションごとに770円かかり、起動画面広告の費用相場平均も500万円前後です。(2023年7月時点)

インフィード広告

インフィード広告は通常のTikTok動画の間に流れる5秒〜15秒の動画広告です。通常のTikTok動画同様に、「いいね」や「コメント」、「シェア」のアクションができるため、ユーザーからすると広告感が出ずに親近感を抱いてくれるのが大きなメリットです。

一方で、興味がないと判断されたり、不快に思われたりすると、ワンタップですぐに広告をスキップされてしまいます。そのため、いかにユーザーが興味を示してくれるような広告を配信できるかが大切です。

実はインフィード広告の中にもさらに細かく「Top View」、「Brand Premium」、「OneDayMax」の3種類に分類されます。

1.Top View

Top Viewはアプリ起動時に再生される15秒のインフィード広告で費用は625万円です。(2023年7月時点)ユーザーからすると、まず最初に画面表示されるため、記憶に残りやすく認知拡大や新商品・新サービスなどのローンチにおすすめです。

2.Brand Premium

Brand Premiumはおすすめの80番目以内に表示される広告で、最大60秒までフルスクリーンにて動画広告を表示できます。

ユーザーは「いいね」や「コメント」ができるため、広告感なく、むしろ親近感を持って広告視聴してもらえる可能性があります。費用は42万円(2023年7月時点)と、他の種類のTikTok広告と比べてもっとも安いため、試しにTikTok広告を配信してみたい事業者におすすめです。

3.OneDayMax

OneDayMaxはおすすめフィード投稿の4枚目に表示され、1日のうちにたった1回だけ表示される60秒の広告で、費用は300万円(2023年7月時点)です。

ハッシュタグチャレンジ広告

ハッシュタグチャレンジ広告は、広告配信者がオリジナルのハッシュタグ(#〇〇)を設定し、それにちなんだ動画広告を配信する新しい種類の広告です。設定したハッシュタグ投稿にちなんだ動画を作成し、配信を促すユーザーを巻き込めるため、大きな盛り上がりを期待できます。

契約期間は2ヶ月で、「スタンダードチャレンジ」、「ハッシュタグチャレンジプラス」、「バトルハッシュタグチャレンジ」、「ベーシックハッシュタグチャレンジ」の4種類があります。費用はそれぞれ順に、1500万円、1700万円、2000万円、1000万円とかなり高額です。(2023年7月時点)

TikTokのハッシュタグチャレンジを行うことで、特定のハッシュタグを利用し、TikTokユーザーに動画作成を促すことができます。

ハッシュタグチャレンジを活用すると、インフルエンサーが投稿を拡散してくれる可能性が高いため、トレンドを作りやすくなります。また、TikTokには、他媒体にはないユーザー間の一体感があるため、拡散に繋がりやすい傾向もあります。

広告ターゲティングの種類

TikTok広告の成果を最大化するためには、どんな属性のユーザーに配信したいかをといったターゲティング設定が欠かせません。TikTok広告は狙ったペルソナにより的確に広告配信するために、さまざまな広告ターゲティングの種類があります。

広告ターゲティングの種類には「オーディエンス」「ユーザー属性」「興味行動」「デバイス」の4つがあります。

1.オーディエンス

オーディエンスはTikTok独自の顧客データから、似たようなジャンルの視聴者をターゲティング選択できます。また逆に、特定の類似の視聴者を広告配信しないように除外する機能もあります。

2.ユーザー属性

ユーザー属性を細かく設定できます。性別や年齢はもちろん、住んでいる場所や地域、言語などを選択できます。どんな属性の人に届けたいかを明確にすることで、広告配信効果を最大化できます。

3.興味行動

配信する広告に対して興味関心がありそうな属性のユーザーに対して広告配信できます。興味関心があるかどうかを見極める方法として、ユーザーのコメントや反応、ユーザーがフォローしている属性に関連するジャンルなどをTikTok側が判断して、ペルソナにあったユーザーに対して配信してくれます。

4.デバイス

通信環境が4Gか5Gか、もしくはそれ以前かだったり、OSのバージョンや使っている機種、携帯のキャリアなどデバイスに関連するあらゆる情報区分からもユーザーをターゲティングできます。

TikTok広告の出し方・出稿手順

続いて、TikTok広告の出し方や出稿手順について簡単に解説します。TikTok広告には運用型の広告と、予約型の広告の2種類があります。

TikTok運用型広告の出稿手順

出典:「TikTok for Business

STEP1:TikTokアカウントの作成

まずはTikTokアカウントを作成しましょう。TikTok for Business のページを開いて、右上の「​​広告アカウント無料登録」ボタンよりアカウントを開設します。

STEP2:基本情報の入力

続いて、メールアドレスや国籍、名前や電話番号などを記載し、支払い方法を選択したらアカウントの開設は完了です。

STEP3:管理画面の設定

アカウントの開設が完了すると、TikTok広告マネージャーの管理画面が開きます。

すると、「概要」、「広告」、「アセット」、「レポート」の4つのメニューが登場します。

「概要」は、TikTok広告にログインしたときのダッシュボードで、広告運用の成果やパフォーマンスを閲覧できます。「広告」はキャンペーンを管理したり設定できたりします。「アセット」は広告を管理・保管する画面で、動画広告をアップロード時したりカスタムオーディエンスしたりできます。「レポート」は視聴者のインサイトを確認できます。

それぞれの役割を理解したうえで、「アセット」に広告をアップロードし、指示される手順に従って入力していけば、広告の出稿が完了します。

予約型広告の出稿手順

運用型広告に対して予約型広告を出稿したい場合、TikTok広告の管理画面から出稿することはできません。直接TikTok広告の窓口 へ問い合わせる必要があります。

予約型広告を出稿するには審査に通る必要があり、審査には時間もかかります。

どうしても予約型広告を出稿したい場合には、日程や時間にゆとりを持っておきましょう。

TikTok広告事例3選

ここまでTikTok広告の概要や種類、出稿手順について解説してきました。では実際にどんな広告事例があるのか、具体例を見せながら解説します。

具体例1. コスメブランドM・A・C

出典:「TikTok for Business

ELCジャパン株式会社が展開するコスメブランドM・A・Cの新製品である「M・A・C ロックド キス インク リップカラー」が発売されるにあたり、TikTok広告を利用して新規ユーザーの獲得や認知向上、強いてはリップ業界全体の売上増加を見込んだプロモーション広告を配信しました。

ハッシュタグチャレンジ「#KISSぐらいじゃ落ちない」を設定するともに、ユーザーが広告に対して「いいね」を押すと画面の下からハートマークが出現する「Super Like」機能を搭載。若い年代の女性を中心としたユーザーを巻き込み、より高いエンゲージメント率を狙った広告事例のひとつです。

具体例2.サントリーの新商品「ビアボール」

出典:「TikTok for Business

サントリーより発売された新商品「ビアボール」もTikTok売れした商品のひとつです。

TikTok上で人気のクリエイターを6名アンバサダーとして起用し、彼らに独自の表現にてビアボールを飲んでもらうことで、多くの注目をあつめ、結果的に圧倒的認知拡大と、売上を上げることに成功しました。

具体例3.株式会社I-neの「YOLU」

出典:「TikTok for Business

具体例の3つ目は、株式会社I-neより発売されいてる「YOLU」です。2022年6月に新しく搭載された「ハッシュタグマーケティング」を利用して売上を上げることに成功しました。

興味関心ターゲティング機能を用いて、確実に届けたい属性のユーザーへ広告配信し、売上をあげられたモデルケースです。

TikTok広告は、他媒体よりもインプレッション単価が安いため、お金を大きく書けなくても広告露出を増やしやすくおすすめです。

それに加え、TikTokで流行ったものが、Twitterなどの他媒体やYoutubeのショート動画でも取り上げられることが多く、他媒体への拡張性も見込めます。

TikTok広告で成果を出すためにおさえておきたいポイント

TikTok広告で成果をだすために抑えておきたいポイントは以下の4点です。

1.9:16の縦型サイズで広告配信する

TikTok広告の効果を最大化するためには、広告サイズは9:16で配信するようにしましょう。

9:16はスマホで広告を見る際のフル画面の大きさで、画面いっぱいに広告を表示させることで、ユーザーへ没入感を促し、広告を飽きずに最後まで見てくれる可能性が高まります。

また、広告を配信する際には必ず音声やナレーションも忘れずに付けるようにしましょう。

2.人物を登場させる

出典:「TikTok for Business

TikTok広告を配信する際には、必ず広告の冒頭に人物を登場させることが大切です。広告の冒頭に人物を登場させた場合と、登場しない場合の広告を比較すると、6秒間視聴する確立が125%、エンゲージメント率が169%高くなっているというデータがあります。

より長く、エンゲージメント率を高めて視聴してもらいたい場合にはぜひ、広告内に人物を登場させることが大切となります。

3.リアルな演出を意識する

TikTok広告を配信する場合には、ユーザーにとって親しみやすさをより意識して投稿するようにしましょう。

TikTok広告は、ユーザーが広告を見たときに「楽しい」「ポジティブ」「親しみやすい」といったリアルな演出がある動画がより高い視聴率が高い傾向にあることが分かっています。

視聴者にとって、より楽しくポジティブで親しみやすさがある広告配信用の動画を作成することが大切です。

4.ターゲットとなる属性に呼びかける

広告配信する上で、広告配信を届けたい属性のターゲットにしっかりと呼びかけることがポイントです。

「〇〇になりたい人」「〇〇」と感じている人へ」など、具体的な呼びかけがある動画は、ない動画に比べて2秒視聴率が108.2%、6秒視聴率が165.3%高くなります。

TikTok広告は、“広告らしいクリエイティブ”よりも、キャッチーなクリエイティブや、一般ユーザーが投稿したかのようなクリエイティブの方が好まれる傾向があります。TikTok自体がエンタメ性のある媒体だからだと思います。

参考:TikTok For Business「EC業界のTikTok運用型広告を分析、効果的なクリエイティブのポイントを初公開​

TikTok広告を使いこなして認知を拡大しよう

TikTok広告のメリットやデメリット、ターゲティングの種類について解説しました。TikTok広告は若い世代の人たちに認知してもらいやすく、拡散されやすい特徴をもった広告です。

広告の種類も起動画面広告やインフィード広告をはじめ、ユーザー参加型のハッシュタグチャレンジ広告などさまざまあり、使い分けることで広告効果を最大化できます。

TikTok広告の配信を検討している企業のマーケティング担当者はぜひ、本記事を参考にしてみてくださいね。

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